介護報酬

【2021年度改正】科学的介護推進体制加算は取得すべき?

2021年度の介護保険制度改正で新たに「科学的介護推進体制加算」が創設されました。
これは、LIFE(visitとchaseを統合した科学的介護情報システム)へ介護データを送り、フィードバックを活用することで、科学的観点から介護保険サービスの質を向上させていこうという趣旨のものです。

では、なぜ今このような加算を創設してまで国は介護のデータを集めたがっているのでしょうか?

実は、今まで介護の世界には医療と比べて科学的エビデンスが少ないと言われてきました。
介護の世界はこれまで経験と技術に基づく職人の世界のような側面があり、ケアの内容はそれぞれの職員の経験値によってかなり左右されています。
しかし、利用者の抱える課題が複雑化する中で、これまでに経験のない課題に直面した時、限られた知識では最適解が見いだせないという問題が出てきます。

そこで、全国の介護事業所からケアの内容等についてデータを集め、その集合知を活用することで介護の質を効率的かつ効果的に向上させていきたいという狙いがあるわけです。

 

介護に関するデータベース

ここで、介護データにはどのようなものがあるのかを簡単に紹介します。
データは大きく3つに分けられます。

まず1つ目が介護保険総合データベースです。
これは市町村が持っている要介護認定の情報やレセプト情報などで、大まかな状態像や利用サービスについては把握できますが、具体的な状態やケアの内容などの情報はありません。

そこで、国は2つめのデータベースとして、「VISIT」と呼ばれるシステムを使い、通所・訪問リハビリテーションのデータ収集を始めました。

また、3つめのデータベースとして「CHASE」があります。
これは栄養や認知症、口腔などを含めた利用者の詳細な介護データを指しています。
これによりサービスが利用者の状態にどのように影響するのか科学的に分析することが可能とされています。

ただし、VISITとCHESEはまだまだデータが蓄積されているとは言えない状況です。
そこで、これら2つのデータベースを「LIFE」という呼称で統合し、加算上の評価を与えることでデータ蓄積を推進しようというのが科学的介護推進体制加算です。

 

対象サービスと算定要件

対象サービス

科学的介護推進体制加算の対象となるサービスは下記の13種類にわたっています。

通所介護 40単位/月
(介護予防)通所リハビリテーション 40単位/月
(介護予防)特定施設入居者生活介護 40単位/月
介護老人福祉施設 (Ⅰ)40単位/月 (Ⅱ)50単位/月
介護老人保健施設  (Ⅰ)40単位/月 (Ⅱ)60単位/月
介護医療院 (Ⅰ)40単位/月 (Ⅱ)60単位/月
地域密着型通所介護 40単位/月
(介護予防)認知症対応型通所介護 40単位/月
(介護予防)小規模多機能型居宅介護 40単位/月
(介護予防)認知症対応型共同生活介護 40単位/月
地域密着型特定施設入居者生活介護 40単位/月
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 (Ⅰ)40単位/月 (Ⅱ)50単位/月
看護小規模多機能型居宅介護 40単位/月

算定要件

算定要件は
① 定期的にLIFEにデータを提出すること
② LIFEからのフィードバックをサービス計画の見直しに活用してPDCAサイクルを回すこと
この2つです。

LIFE活用のメリットとデメリット

LIFEへのデータ提出のメリット

①加算が算定できる。

利用者1人につき40単位算定できます。
また、施設系サービスでは加算が(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれており、より詳細なデータを提出することで更に大きな単位数を算定することができます。

②全国の介護データが活用できる。

今までは職員によって意見が異なり、事業所内だけの限られた知識の中で試行錯誤していたものが、全国の科学的データから最適解を見つけ出せるというのは効率性の面からいっても大きなメリットです。

科学的介護推進体制加算のデメリット

①データ提出をするための事務負担がある。

やはり一番のデメリットは事務負担だと思います。
定期的なデータ提出が算定要件ですので、小規模な事業所ほどここがネックになってくるかもしれません。
しかし、国もできる限り事務負担を軽減する方向ですので、あまり極端に事務負担が増すような設計にはなっていないと考えられます。

科学的介護推進体制加算は取得するべきか?

結論から言って、この加算は取得すべきです。
2021年度の介護保険制度改正は、科学的介護元年ともいうべき内容のものだと思われます。
少なくとも科学的介護を推進していく流れは今後も変わらないどころか、さらに加速していくと予想されます。
国の目指す方向性を早期に把握し、しっかりと流れに乗っていけない事業所はいずれ淘汰されていくでしょう。
また、LIFEに対するとっつきにくさや業務負担に対する抵抗感はあるかもしれませんが、負担の増加以上に、フィードバックによるケアの効率化というメリットが大きいと思います。
ぜひ今のうちにLIFEへデータを提出する体制を整えてはいかがでしょうか。

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